制作中、そして思う



制作中

自分の姿と話す言葉、聴こえる音楽と映る色。
少し気を許すと涙が流れるような郷愁、センチメンタルが空気に漂っていた。
家にはいつでも誰でも遊びにきていたし、たくさんの人が泊まって行った。
あの頃のわたしたちは時間を半無自覚に贅沢に使い、あーでもないしこーでもない、あれもできるしこれもできる、と、言い合っていた。
夢をみたことはないが、いつもやりたいことをしていた。

歳を重ね少しずつ忙しくなる日々、すれ違う生き方。
介護度が上がる祖母をみる母。おばあちゃんはいつもかわいい。
だんだんと人が我が家にくる頻度は減った。
そしてパンデミックが世の中を襲ったとき、わたしの部屋は誰も来ない秘密の場所になった。

鶴のように機を織った。
ライブペイントもしなくなっていたわたしは、誰にも絵を描く姿をみせなくなった。

それも思い出になった今日この頃。

ここ2年ほどまたわたしは友人を招き、あーでもないしこーでもないが、あれもできるしこれもできるじゃん、て言い合っている。
縁という言葉はわたしには大それているが、奇跡という言葉は真実だから言える。
奇跡の連続を生きている。

鉛のような体はぬかるみを歩くように足が重いが、とんでばかりいても軽すぎたんだね。
醍醐味じゃ、て笑う声が聞こえるよ。

ーーー今後の展示予定ーーーーーーーーーーーー
・6-9月 企画展/大阪
・9月 公募展/和歌山
・9月 企画4人展/東京